【専門家監修】マシンピラティスの全て!特徴と効果を徹底解説!
マシンピラティスは、専用のマシンを使ったエクササイズが多数あります。ここでは、リフォーマー、キャデラック、チェア、コアアライン、バレルの5つの主要なピラティスマシンについて、それぞれの詳細とできるエクササイズの種類、細かな違いについて総まとめで徹底解説します。
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Pilates Studio DEP 代表取締役社長。PHI Pilates Comprehensive Instructor、三学会合同呼吸療法認定士、栄養コンシェルジュ2つ星等の専門資格を保有。急性期総合病院や大学病院などで理学療法士として10年以上勤務後、2020年1月にPilates Studio DEPで独立開業。現在、フランチャイズ展開で全国30店舗以上の店舗を出店し、2023年 NEXT AWARDトレーナー・オブ・ザ・イヤーで全国の数多くのインストラクターの中からプログラムディレクター部門の最優秀賞も受賞。日本理学療法士協会の学会奨励賞等の実績もあり。
Index
ピラティスとは?
ピラティスは、ジョセフ・ヒューベルト・ピラティス(男性)によって開発されたエクササイズメソッドです。
体幹の深層筋肉を鍛えることで、姿勢スタイル改善や柔軟性向上、不調の改善やパフォーマスアップ、ストレス解消などの様々な効果が期待できます。
ピラティスは、マット上で行うマットピラティスと、専用マシンを使用するマシンピラティスの2種類に大別されます。
マシンを使った手法が主流であり、マシンはマットエクササイズを適切かつ効果的に行うため、そして、エクササイズ負荷や動きのバリエーションを拡張するためにピラティス氏が独自開発したものです。マシンはマットと異なり、バネやループ、動くキャリッジやバーなどによる負荷調整と運動方向の誘導などがある特性上、適切な動きを獲得していない初心者でもマットピラティスよりも正確に効果的にエクササイズを行うことができます。
詳細については以下の記事もご覧ください。
▶︎ ピラティスが向いている人とは?マシンピラティスの魅力と効果を徹底解説!
▶︎ ピラティスの効果と体型変化!体が変わるメカニズム10選
今回は、代表的なピラティスのマシンについて、マシン毎の詳細を徹底解説します。
リフォーマー (Reformer)
概要
リフォーマーは、フレームにスライドするキャリッジ(台車)が取り付けられた動くベッドのようなピラティスマシンです。キャリッジにはバネと滑車を介したループ(紐)が接続されており、ループを手や足で動かすことによってバネ負荷に応じた負荷をかけたり補助を加えることができます。
エクササイズの種類
600〜800種類以上のエクササイズが可能です。全身の筋力、柔軟性、バランスを鍛えられます。
主なエクササイズ
・フットワーク
・フロッグ
・ショートスパイン
・ショルダーブリッジ
・スワン
・イブズランジ
・サイドスプリット
特徴
キャリッジ(台車、プラットフォーム)とバネの抵抗調整、ループの広範囲可動性により、ピラティスマシンの中で最も多くのバリエーションエクササイズが可能です。
エクササイズ負荷は月面と同様に重力の1/6まで体重を免荷することができ、最大バネ負荷で100kg以上(ジャンプ系エクササイズでは加速度が加わりさらに倍増)の負荷をかけることもできます。
よって、重力に従って立つことのできない高齢者なども仰向けに寝るエクササイズから導入でき、事故や怪我などをした方のリハビリテーション等、細かい運動負荷設定でプログラムが実施できます。
身体パフォーマンスを向上したいトップアスリート等の高負荷の動的トレーニングも実施可能です。
また、非常にマニアックな話ですが、動くキャリッジは身体の中心部から脊柱を長軸上(上下方向)に引き伸ばすエロンゲーションを引き出す特徴があり、仰向けでのこの誘導は他のマシンにないところが大きな特徴です。エロンゲーションには、反射的にコアマッスルを最大限に刺激し活性化してくれる作用があり、これは通常のウエイトマシンとマシンピラティスが大きく異なる点でもあります。
ループは滑車を中心にあらゆる方向に可動できる構造であり、滑車も高さ調整が可能なリフォーマーが多く、各関節に色々なポジションで色々な方向から負荷をかけることができます。
これだけの最高の性能を持ちながら、マシンを置くスペースはループ可動範囲を考慮しても畳一畳分ぐらいで良いので、多くのスタジオで必ずと言っていいほどリフォーマーは置いてあります。
なお、リフォーマーには後述のキャデラックの支柱が四方に付けられているキャフォーマーや、支柱の片側だけがついたタワーセットのようなものもあります。
いずれもリフォーマーにキャデラックの空中からのバネの負荷・補助の性能を追加したものです。
当店のリフォーマーは全店舗でタワー付きを採用しており、一台で1000種類以上の専門的なエクササイズを行えます。
キャデラック (Cadillac)
概要
キャデラックは、大型の支柱フレームにスプリングやバー、ストラップが取り付けられたマシンです。
開発者のピラティス氏がベッドの上でリハビリテーションに使っていたことで有名なマシンですが、現在では空中での映え系エクササイズも実施できることから大変人気のピラティスマシンとなっています。
エクササイズの種類
200種類以上のエクササイズが可能です。
主なエクササイズ
・ローリングバック
・プッシュスルー
・ハンギングアップ
・タワー
・パラキート
・ヒップオープナー
・パンチング
・チェストエクスパンジョン
特徴
タワーの各支柱にはあらゆる方向からバネをつけることが可能であり、バネには多様なアタッチメントをつけれるため、非常に多彩なエクササイズが可能です。
また、上方の支柱とバネを用いて空中に浮くようなエクササイズができたり、プッシュスルーバーは扇状に回転する軌道を描く特性から身体の中心部から脊柱を長軸上に引き伸ばしてコアを活性化する特徴があります。この点はリフォーマーと類似しています。
リフォーマーとの違いは、キャデラックはプラットホーム(台)が可動せず純粋にバネが引っ張る方向からの負荷やバネのサポートが主な刺激を生むため、リフォーマーのように色んな箇所を同時にコントロールしながら動かさなくても良いです。
全てのピラティスマシンの中で、特にキャデラックは初心者に最適なマシンです。
初心者の方はキャデラックがあるスタジオでマシンピラティスを始めると良いですが、当店の場合はキャデラックが置いてない店舗でも全店舗がリフォーマー付きタワーでキャデラックの重要エクササイズはできるようにしてあるので、ご安心ください。
なお、キャデラックとタワーは同じマシンとして扱われやすいですが、同じではありません。キャデラックは四方が支柱で囲まれたもので、タワーは片側の支柱だけあるもののことを言います(販売されているプッシュスルー側の支柱のみ)。
チェア (Chair)
概要
ピラティスチェアは、小型の器具で、椅子にバネ付きのペダルがついたような形状をしています。
リフォーマーやキャデラックの半額以下の金額で買えることが多く、スペースもほとんど取らないのにマットピラティスのバリエーションを何倍にも増幅させてくれるマシンであるため、家庭用にピラティスマシンを導入するならまず最初に候補として考えるべきマシンと言って間違いありません。
エクササイズの種類
単独使用で70種類以上のエクササイズが可能であり、マットピラティスではバリエーションの少ない立位・足関節部にアプローチできるエクササイズが沢山できるようになります。
主なエクササイズ
・レッグパンプス
・プッシュプランク
・スワン
・マーメイドツイスト
・トーソプレスバック
・フロントランジ/サイドランジ
特徴
小型で持ち運びがしやすく、限られたスペースでのエクササイズに便利なだけでなく、バネのおかげでマットピラティスをより正確に行うための補助や強度アップも可能です。
また、空中に浮くようなダイナミックなエクササイズなども多数可能です。
なお、重要な特徴として、現在販売されているチェアのほとんどがキャスター付きで簡単に移動でき、キャデラックと合体させて使用することも可能です。
つまり、両マシンのエクササイズバリエーションをさらに拡張することができ、より細かい問題にも手が届くようなパーソナライズしたエクササイズの実施が可能となります。
コアアライン (CoreAlign)
※写真提供:Pivot
概要
コアアラインは、2つの独立したトラックにゴムのついたスライドするカート(台車)がついたピラティスマシンで、立位バランスや歩行、全身のコーディネーションを重視したトレーニングが行えます。
立ったままの動作や動きの流れを重視した運動が多く、日常生活やスポーツに直結した動きを獲得するのに最も適しています。
マシンの開発者は、ピラティス氏ではなく、イスラエルの理学療法士ジョナサン・ホフマン(Jonathan Hoffman)です。
エクササイズの種類
50種類以上のエクササイズが可能。
主なエクササイズ
・ランジ
・スタチュー
・アラベスク
・バード
特徴
特に立位で体幹部を安定させながら下肢を協調的にコントロールするエクササイズや、歩行と同じ筋肉の使い方を誘発するようなエクササイズが多く、バランス能力や全身コーディネーションの向上に適しています。
動きの調和と姿勢改善に重点を置いており、リハビリテーションやスポーツパフォーマンス向上、その他のエクササイズで獲得した昨日を日常生活で使う能力として獲得することに役立ちます。
バレル (Barrel)
概要
バレルは、樽(たる)を半分に切ったようなアーチ状の形状をした器具で、アークバレル、スパインコレクター、ラダーバレルなど様々な呼び方と種類のあるピラティスマシンです。
リフォーマーやキャデラック、チェアとは異なり、バネを有していないのでマシンというよりは、ピラティスリングやフォームローラーと同類のプロップス(小道具)と分類した方が正しいですが、ラダーバレルはチェアよりも大型であり、一般的にマシンピラティスの認識のイメージの方も多いのでここでご紹介します。
エクササイズの種類
50種類以上のエクササイズが可能。
主なエクササイズ
・ロールダウン
・シザース
・ヘリコプター
・マーメイド
・ティーザー
・スワン
特徴
バレルの形状は、脊柱の運動順序の教育と可動性を出すためのものであり、特に脊柱の柔軟性と可動域を高める効果が優れています。このような効果があるため、スパイン(脊柱)コレクターと呼ばれたりもします。
他のマシンとの比較では、猫背や側弯症などの脊柱・姿勢改善に適していると言っても良いでしょう。
また、バレルはチェアと同様にリフォーマーやキャデラック等との併用も可能で、それぞれのエクササイズバリエーションを大きく拡張し、痒いところに手の届く内容が実施できるようになります。
※以下はバレルの一種であるラダーバレルを使用してレッスンをしている様子です。
ピラティスマシンの違いまとめ
今回は、マシンピラティスとして代表的なリフォーマー、キャデラック、チェア、コアアライン、バレルの5つの主要なピラティスマシンについて詳細に解説しました。
最後に本記事の内容をまとめます。
リフォーマー
全身の動的なエクササイズに最適で、全身の筋力と柔軟性を鍛えられる最もバリエーションが多いピラティスマシン。
キャデラック
多様なアタッチメントで幅広いエクササイズが可能。初心者はまずキャデラックで間違いなし(もしくは同じ性能を持つタワーがおすすめ)
チェア
コンパクトで家庭用にピラティスマシンを買うならチェアが最有力候補。マットピラティスの拡張に相性が良く、特に立位エクササイズや空中エクササイズを手軽に導入できる点は魅力的。
コアアライン
立位バランスや歩行、全身のコーディネーションを重視したトレーニングなどに最適。各マシンで獲得した筋活動を全身連動させ、日常生活やスポーツ、リハビリテーションでの活躍が期待できる。
バレル
マシンピラティスというよりプロップス(小道具)。脊柱の再教育と可動域拡大に優れている。
これらのピラティスマシンは、それぞれ異なる目的と効果を持ち、ピラティスの多様なニーズに応えることができます。自分の目標に合わせて適切な器具が置いてある施設、それを適切に使いこなせるインストラクターがいるスタジオを選ぶことで、自分のニーズに合う効果的なトレーニングが可能です。
ピラティススタジオDEPでは、全店舗でタワー付きリフォーマーとチェアを必ず配置しており1000種類以上のエクササイズが実施可能です。
また、エクササイズはバリエーションだけあっても身体の特徴に応じて使いこなせなければ無意味であるため、当店では理学療法士・作業療法士の資格を持ち、病院などの医療機関で一定期間の実務経験のある優秀なスタッフのみがインストラクターとして現場に立っています。
子どもから病院に通っている高齢者の方々、モデルさんのスタイル改善からアスリートまで、専門職として幅広いニーズにお応えできていますので、お悩みがありましたらお気軽にご相談ください。
※初回レッスンはどの店舗も体験しやすい破格となっておりますが、スタジオ利用者数には限りがありますので興味がある方はお早めにご予約をいただければ幸いです。
Pilates Studio DEP 代表取締役社長。PHI Pilates Comprehensive Instructor、三学会合同呼吸療法認定士、栄養コンシェルジュ2つ星等の専門資格を保有。急性期総合病院や大学病院などで理学療法士として10年以上勤務後、2020年1月にPilates Studio DEPで独立開業。現在、フランチャイズ展開で全国30店舗以上の店舗を出店し、2023年 NEXT AWARDトレーナー・オブ・ザ・イヤーで全国の数多くのインストラクターの中からプログラムディレクター部門の最優秀賞も受賞。日本理学療法士協会の学会奨励賞等の実績もあり。